2020年に作ったもの13選
今年も仕事の外で沢山作りました。気に入ってるものや話題になったものを少しまとめます。大体が「話題になったけどその後放ったらかしにしちゃいました」で終わってます。ごめんなさい頑張ります。
Unity少し覚えた
ずっと覚えるつもりだったUnityをようやく少し覚えました。おかげで今まで面倒だったARのアイディアを沢山実現できました:
1. 置き場所から家具を選べるAR
3月に作った「既存のアプリみたいに家具を選んでから置けるか確かめるのではなくて、置き場所を決めてから入る家具を見つけるほうがいいよね」という提案です。沢山共感の声をいただき、色々記事にもしてもらいました。
僕が家具を探してる時は既に置き場所が決まってる事が多いので、「ここになるべくピッタリ置ける家具」をARで検索できるアプリ作った。ニトリのアプリとかに内蔵されてたら嬉しいよね。 pic.twitter.com/w4u036qUDl
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年3月15日
実際にこれを使ってうちは庭の机とキッチンのゴミ箱を買いました。購入フローの完成度高めたり、家具販売サイト等にお話に行くのが面倒で放ったらかしにしちゃいました。
これで既製品の家具を買うだけではなく、部屋にピッタリな家具を自動生成してEMARFとかで発注できたらいいなーとか思ってます。
2. 屋内日時計
部屋の中にいても「外っぽさ」を楽しめる日時計。デバイスと太陽の位置関係から「正しい」影を計算しています。こういうちょっとしたアイディアをすぐ実現できるのもUnity素晴らしいですね。
Unity完全に理解したので、太陽の位置を計算して正しい影を投影する「部屋の中で使える日時計」を作った。机に置いておくとけっこう「外」感があって引きこもりには良い。 pic.twitter.com/6FrLMJDJDf
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年7月12日
「外出りゃいいじゃん」とか誰も言わないの優しいなと思いました。作ったときの気持ちは「tempescope」の時と少し似ていて、コロナとかを理由に引きこもらないといけないときは、部屋の空間を異世界化させるデバイスを作りたくなるんですね。
スマホそのままだと少し「表示させてる感」があるので、石の筐体にディスプレイを埋め込んで本物感を出そう、とか思ってるうちに放ったらかしにしてしまいました。
3. 縮尺の正しい太陽系AR
子供が宇宙好きなんですが、太陽や地球の距離感がいまいちピンと来てない感じだったので作ってみました。
太陽系を見れるARアプリは沢山あるんだけど、大きさと距離の縮尺が正しいのが見つからないので簡単に作ってみた。歩くことで太陽系のデカさが実感できる!週末は子供と7km先にあるはずの冥王星(太陽の直径が1.6mの場合)を探す旅に出ます。 pic.twitter.com/QWIhTNAG0p
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年10月20日
沢山話題にしていただいたので直ぐにリリースしようと思ってたんですが、歩いてる途中で位置をロストするバグを直すのが面倒で放ったらかしにしてしまいました。(数キロ歩いたあとこれが発生すると発狂するよ。)来年こそリリースします。
ずっと家にいた
今年は(会社の遠くに引っ越したこともあり)ほぼ一年間在宅勤務してました。そのせいか、働き方を楽しくするものを色々作りました:
4. 乗り過ごし検索
「このまま会社で降りずに電車に乗り続けたらどうなるんだろう」を検索できるサービス「乗り過ごし検索」。正月に作りました。絶対本業で作らなそうな機能なので、作ってて楽しかった。まさかこの数カ月後に通勤の概念自体が消えることになるとは思いもよりませんでした。
連休の終わりが受け止めきれないので、会社の駅で降りずに通り過ぎると行ける景色の良い場所🌴を探せる「乗り過ごし検索エンジン」を作った。明日の出勤失敗に使います。 https://t.co/mfEgahK6Kh
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年1月5日
5. ずっと祝日カレンダー
自分が平日だと思っている日に(海外にいる)同僚が祝日を満喫していることが妙に面白く感じ始めて作りました。一緒に働いている人たちが祝日だと、自分は休みじゃないのに少し自分も休み気分になるんですよね。そこで全世界の祝日を集めて毎日休みな気持ちになれるカレンダーを作ってみよう、と思ったのがこちらです。
年中ほぼ全ての日がどこかしらの国で祝日だという事実に気づいてしまったので、「ずっと祝日カレンダー」を作った。『今日はアルメニアで陸軍の日だからダラダラ仕事するかー』みたいに使ってください。 pic.twitter.com/Az2FIaQUAa
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年1月26日
試作して意気揚々とツイートしたら、過去に川村真司さんがほぼ同じコンセプトのカレンダーを(2010年に!)作成されていることを知りました。謝りに伺ったら「全然いいよ、一緒につくろうよ」(意訳)ということを言っていただき、川村さんと宗佳広さんと一緒に販売開始しました。おかげで自分一人では不可能なハイクオリティのデザインにしていただき、去年分は完売、2021年分はこちらで大好評販売しています:
6. ハンドソープを出すと(WHO推奨)30秒音楽が鳴るソープスタンド
コロナ時代に合わせて、手洗いを啓蒙しつつ(この頃は休校で家に居る)子どもたちにハンダ付けを体験してもらおうと考えて、こういうキットを作りました:
ハンドソープを出すと30秒(WHO推奨手洗い時間)の曲が鳴るソープスタンドを作った。楽しい。Arduinoのソースはこちら:https://t.co/nAsYnaJGKW
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年4月5日
A musical hand soap dispenser to get kids to wash for (WHO recommended) 30 seconds. pic.twitter.com/ZhUlWhuauo
7. ずっとカメラ目線になる顔フィルタ
一年間仕事仲間に合わずにWeb会議だけで仕事をしていると、段々「自分」=「相手のディスプレイに映る何か」という感覚になってくるんですね。そこで、自分の見え方をいじることで、自分自身を変えるよりも簡単に自己実現ができてしまうのではないか、と思って色々作りました。例えば、プレゼンのときにカメラを見る練習するよりも、画像変換でカメラを見ているようにしたほうが手っ取り早いんですよね。キモいので一日で使うのやめたけど。
Web会議で相手の顔見てると目が合わない問題を解決するために、どこ見ててもカメラ目線になるSnap Camera用フィルターを公開しました。脳みそ乗っ取られたみたいになるけど。こういうのiPhoneに標準搭載されるって噂だったよね。https://t.co/5lJuBIvef1 pic.twitter.com/Cct47wENc5
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年5月24日
この考えを突き詰めると、例えば毎日1%ずつ自分の顔にキアヌ・リーブスを混ぜていったら、一年後はチームにキアヌ・リーブス似のTLとして認識してもらえるんじゃないか、とか考えてます。来年チャレンジします。
音で遊んだ
なんか急に、音の可視化にはまった夏でした。
8. 音の速さが見えるデバイス
ありそうで(知ってる限り)無かった、音の速さを可視化するデバイスです。大科学実験で人間がやっていたことをデバイス化した感じですね。単純にマイクとLEDがくっついた基盤で、遠くまで並べると自分の出した音が広がっている様子が見えます。
単純だけど超面白いの作った!「音の速さが見えるデバイス」。音を感知すると光るモジュールを並べると、拍手の音が飛んでいく様子が目で見える。うちの子も「音が動いてくんだね!」と大興奮。長い廊下のある科学館とかに置かせてもらいたい。体育館なら同心円に広がってく様子や反響が見れるかも。 pic.twitter.com/1EM0coBNU9
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年8月2日
子供もパチパチ手を叩いて楽しそうでした。学校の先生とかから「授業で使いたい」という声を沢山いただいたので、販売できないか相談中です。使ってみたいというかたは是非ご連絡ください。
余談ですが、これ夜の公園に置いていると、近くで虫がリンリン鳴るとそこだけ光ってキレイなんです。そういう展示もみてみたいですね。
9. 姿の見えないセミを見つけられるアプリ
こういう音の可視化もしてました。敢えて複数スピーカーで音源推定するのではなく、指向性マイクを使ってスキャンしながら音源推定するという人力音源推定アプリです。
セミの声は聞こえるのに全然姿を見つけられないのが悔しくて、音源が見えるカメラをを作った。扇風機がうるさいのがよく見えるね。手元にあったのが指向性マイクしかなかったので「人力でスキャンしながら音量を測る」超低技術だけど、いつかスマホにマイクアレイを搭載できたら嬉しいね。 pic.twitter.com/G5Evzzfokx
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年8月23日
レーザーカッター買った
出社できている頃は会社のレーザーカッターを使っていたのですが、100%在宅になったため家庭用レーザーカッター を買いました。おかげで気軽に家で色々切れるようになり、ちょっとした試作が捗ります。
10. ネタバレおにぎり
例えばこんな「海苔でおにぎりのネタをバラしたい」みたいなちょっとしたアイディアをすぐに試作できるんですね。いつかプリンターのように一家に一台レーザーカッターと3Dプリンターがある時代が来るといいですね。ちなみに何故か海外でも話題になりました。おにぎり好きなんですかね。
レーザーカッターを使えば「あれ、鮭おにぎりどれだっけ」とならずに済むことに気づいた。「ネタバレ海苔」です。 pic.twitter.com/cNuu06ZCGZ
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年7月12日
11. 壁掛け夜景
現物みないと良さが全く伝わらない、「壁掛けできる夜景」です。レーザーカッターで黒い紙に目に見えないぐらいの小さい穴を開けて、透過した光で浮遊感のある夜の地球が表現できます。沢山人に見せたいのに、コロナのせいで家族しか見せられてない・・
宇宙から見た夜の地球が好きすぎて、レーザーカッターで「部屋に置ける夜景」を作ってみた。部屋の電気を消すとずっと見とれてしまう浮遊感。ついでに作った星空も良い。 pic.twitter.com/CgkklZhIUw
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年5月9日
12. 勝手にレゴが分類される箱
これマジでLEGO様に商品化してほしい、「小さいパーツが勝手に分類される箱」です。ダイソー様、期待してます。
レゴの小さいパーツが箱の底に潜って常に行方不明なので、勝手に分類される箱をレーザーカッターで作った。かなり便利なのでアクリルできれいに作り直そう。 pic.twitter.com/1Vg0eWDu6j
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年7月2日
その他
昔指導員に『「その他」の項目を作るぐらいなら分類しようとするな』と怒られた記憶を思い出しながら、その他の作ったものです。
13. レシピの「コスパ」をデータから定量化する
ちょうど夏ごろコロッケやポテサラの手間が話題になってましたね。レシピサイトからレシピをクローリングして、料理ごとの「手間」を定量化してみました。
「コロッケは手間の割に一瞬で食べられちゃうのでコスパ悪い」みたいな話が面白かったので、ネットからレシピをクローリングして料理の「人気」(=レシピ数)と「面倒臭さ」(=平均ステップ数)をグラフにしてみた。確かにコロッケはステップ数多い。それに比べて生姜焼きの良心的なこと。。。 pic.twitter.com/A0ZPnBIOpc
— Ken Kawamoto(ガリのほう) (@kenkawakenkenke) 2020年8月9日
この分析をしてから、僕が豚の生姜焼きを作る回数が少し増えた気がします。
まとめ
例年通り、色んなアイディアつまみ食いしながら試作ができると満足してリリースまで行ききらない年でした。なんなら去年話題にしてもらったみんなの忘れたニュースBotはサーバーを死なせたまま放置してしまったり。。
普段はここで「来年こそは全部ちゃんとリリースする」とか宣言する場所なんですが、それもちょっと違うような気もしてきました。まとまらないので終わります。